タイトルの意味
第5話のタイトルは「絶望の中で鈍く光る」。
その意味するものはなんでしょうか?
トロスト区の前衛部は壊滅状態。中衛部でも多くの訓練兵が命を落とします。後衛部も住民たちが大混乱。
まさに絶望の淵と言える状況です。
そんな中、決して輝かしいわけではないが地味に活躍するミカサの姿が描かれます。
(『進撃の巨人』第5話より)
これこそ”鈍く光る”スーパーヒロインの姿。
タイトルの示す鈍い光はミカサのことを言っているのでしょう。
リーブス商会の功罪
リーブス商会の大きな荷台が内門にひっかかり、人々の避難が遅れています。
それでも荷台をどかそうとせず、あくまで押し込もうとするリーブス会長。
リーブス会長は、この時とんでもない悪人として描かれています。
(『進撃の巨人』第5話より)
しかし商会は後に、このトロスト区へ戻ってきて人々に職を与え街の活性化に尽力します。
そのようにして多くの命を救っているのです。
リーブス会長は別に改心してそうなったのではなく、もともとそういう人間なんでしょう。
多くの人を救うにはまず自分のような力のある人間が生き延びねばならない。貴重な資産を守らなければならない。キレイゴトを言っていては成し遂げられないことがある。
そういう思慮の深い人物として描かれています。
この時の行動も、彼なりの信念と正義を貫いたものだったのでしょう。
ミカサの胆力
リーブス商会の荷物をどかせるため、ミカサは会長を脅します。
(『進撃の巨人』第5話より)
簡単に言うと「殺すぞ」的なことを言っています。
リーブス会長は、ちょっとやそっとの脅しに屈するような男ではありませんが、ミカサの目を見て一瞬で悟ります。「こいつは本当に人を殺せる女だ」と。
そして「こんな奴がいるなら、この街にも希望があるかもしれない」と悟ったのでしょう。
フッと笑みを浮かべ「荷台を引け」と命じます。
歓喜の声が上がり住民たちは一気に内門からの脱出に成功。
一人の少女がミカサにお礼を言います。「おねぇちゃんありがとう!!」
この時の少女は後に訓練兵となって再登場します。
兵士としての逸材
駐屯兵団の精鋭部隊が配置された後衛部に奇行種が突進してきます。
精鋭部隊でも全く追いつけないスピードで走る奇行種。
それをミカサがたった一人であっさり仕留めます。
訓練兵でありながら、すでに全兵士の中でもトップクラスに入る実力者であることが分かるシーンです。
命のやり取りに対して全く動じないミカサの精神力。
その原点とも言える出来事が暦 844年のあの日にありました。
ミカサが両親を惨殺された日。
そしてそれはミカサが初めて人を殺した日でした。