長距離索敵陣形のメリット
新兵にとって初めての壁外調査。覚えたての長距離索敵陣形で進みます。
長距離索敵陣形はエルヴィンが団長に就任してから採用されている壁外調査の基本陣形。
むやみやたらに突っ込んでいって無垢の巨人と戦うのではなく、「いかに巨人と戦わないか」ということに軸を置いた考え方です。
(『進撃の巨人』第22話より)
前団長のキース・シャーディスに反対された陣形ですが、結果的にエルヴィンが正しかったと証明されました。
(『進撃の巨人』第71話より)
エルヴィンのほうが正義心が強かったとか部下への思いやりがあったとか、そういうことではありません。
エルヴィンはどうしても譲れない夢を持っていて、それを果たすためにはどんな犠牲もいとわない人間です。
目的を果たすためには、死傷者を最小限に抑える陣形を考える必要があっただけのことなのです。
長距離索敵陣形のデメリット
長距離索敵陣形にも弱点はあります。それは奇行種対策です。
奇行種は行動が予測できないので、逃げ切れたとしても安心できません。
(『進撃の巨人』第22話より)
放置すると陣形を壊されてしまうので、奇行種に遭った時点で戦闘は避けられないのです。
女型の巨人が登場
アニ・ライナー・ベルトルトの三戦士はエレンをマーレへ連れ去りたいと考えています。
だから今回の壁外調査は絶好のチャンス。
ライナーとベルトルトがスパイとなって調査兵団の内部から作戦情報を得ます。それをもとに「女型の巨人」であるアニがエレンを捕まえて壁外へ走り去ろうと考えました。
(『進撃の巨人』第22話より)
では、なぜアニがそれをやることになったのでしょうか。
まずライナーとベルトルトは調査兵団の索敵陣形に含まれているので、突然姿を消すと怪しまれてしまいます。作戦が成功するまでは正体をバラさないほうが良いのでこの役割には不向きでした。
それに対し、アニは憲兵団にいるので比較的抜け出しやすい。万が一バレたとしてもアニひとりだけ作戦から脱落して逃亡したり黙秘したりすれば良いわけです。
それに「鎧の巨人」と「超大型巨人」は足が遅いので、この作戦には向いていません。
馬の速さを越えられる「女型の巨人」がこの役割に適任だったわけです。
しかもアニは無垢の巨人を引き寄せる能力を持っているので、壁外調査に出ている人員を壊滅させることも可能でした。
(『進撃の巨人』第22話より)
ただしこれらの作戦は、ほぼエルヴィンのてのひらで踊らされている状態。
エルヴィンにとって兵団内に敵が潜んでいることは予想済みだったので、エレンの配置に関してはフェイク情報を広めていました。
だからアニはなかなかエレンを見つけられずにウロウロしてしまったのです。