マルコの死体を発見し驚くジャン
トロスト区に巨人が襲撃した際、ガス不足などの危機を乗り越えて訓練兵たちは壁内へ帰還することに成功しました。その時マルコも間違いなく生還していました。
その直後にトロスト区奪還作戦が始まりましたが、訓練兵の役割は無垢の巨人を引きつける程度。
にも関わらずマルコはいつの間にか死んでいました。
(『進撃の巨人』第18話より)
ガス不足の危機に比べれば、その後のミッションの危険性などたいしたことなかったのに。
マルコの死体を見つけたジャンは納得できませんでした。
後に分かることですが、マルコの死の原因はアニの手によるものです。
(『進撃の巨人』第18話より)
ライナーとベルトルトの会話を聞いてしまったマルコは、アニの手によって追い込まれて無垢の巨人に食われてしまったのです。
ライナーが手を下しても良かったのですが、アニは「訓練兵に情が移っていないことを証明しろ」とライナーに促されたのです。
結果的にはライナーの同情心のほうがよっぽど深刻だったわけですが。
この時点では明確にライナーの精神分裂が始まっています。
ジャンはなぜ調査兵団に入ったのか
ジャンはとても頭の切れる優秀な兵士です。
ジャンの優れた判断力はこれまでもこれからも、仲間の危機をたびたび救います。
マルコは言いました。「ジャンは現状を正しく認識することができるから、今何をすべきか明確に分かる」と。
(『進撃の巨人』第18話より)
だからこそジャンは世界の現状を正しく分析し、短い一生をせめて快適に暮らすために憲兵団に入ろうと決めていました。
にも関わらず、マルコの死によってジャンは調査兵団へ入ることを決意します。
それはなぜか。
おそらくジャンは死ぬことも苦しむこともたいして怖くなくなったのでしょう。
それより怖いのは「弱者を見捨てて自分だけ生き長らえること」。
(『進撃の巨人』第18話より)
自分の価値観における重要度の順位が大幅に入れ替わったのだと思います。
そんなジャンが冷静な判断力によって今何をすべきかを考えたら、「調査兵団に入ること」は当然の結果だったわけです。
エルヴィンはエレンの意志を問う
トロスト区奪還作戦を成功させたエレンは、そのまま気を失い3日間ほど昏睡状態でした。
目を覚ました時、目の前にいたのはエルヴィンとリヴァイ。
調査兵団はそもそもエレンに接触する許可を得ることすら難しかったはずなので、かなり高度な交渉が行われたことが想像できます。
調査兵団は接触を許されたものの、何かを説得する権限は与えられていません。
だから今すべきことは「エレンに意志を聞くこと」だけだったのです。
(『進撃の巨人』第18話より)
そして回りくどい言い方でエレンを煽ります。
(『進撃の巨人』第18話より)
もしエレンが自ら調査兵団入りを希望しなければ、エルヴィン達には成す術がありません。そのままエレンは憲兵団に委ねられ消されていたでしょう。
王政がエレンに手を出せなかった理由
この時点で王政のトップと第一中央憲兵は、エレンの正体についてほぼ正確に把握していました。だから調査兵団に接触させることなくエレンの身柄を拘束し、さっさと王家の人間に食わせたかったはず。
しかしエレンの存在は壁内の市民にも知れ渡っています。市民にはエレンを英雄視するものも少なくないので、今エレンが意味なく殺処分されたら暴動が起きかねません。
王政が直接そんな命令を下すわけにはいかないので、ザックレーの判断に丸投げしたのでしょう。
(『進撃の巨人』第19話より)
ザックレーの判断によってエレンが憲兵団に委ねれられ、その結果として殺処分となれば、たとえ暴動が起きても、エレン派の暴動の矛先はザックレーや憲兵団に向かいますからね。
結果的にザックレーの判断は「エレンの調査兵団入り」だったので、後に第一中央憲兵はエレンを拉致しなければならなくなったわけです。