ライナーの懸念
謎の巨人が無垢の巨人と戦ってくれるおかげで、訓練兵たちは本部に入ることができた。
しかし本部内にも、小型(3~4m)の巨人が7体いるので今なおピンチは続く。
にも関わらずライナーは外にいる謎の巨人が気になる様子。
あれは無垢の巨人と違って、何者かが巨人化しているのだと気づいたから。
(『進撃の巨人』第9話より)
他の兵士にそのことが知られていないかどうか、それが心配だったのでしょう。
決死の作戦
アルミンの発案した作戦により、訓練兵のみで7体の巨人を討伐することになります。
相手は小型とは言え3~4m級の巨人。立体機動装置はガス切れで使えません。
つまり少なくとも5~6mの高さから、生身の人間が飛び降りて斬りつける。
(『進撃の巨人』第9話より)
3階から飛び降りるようなものです。
どう考えても骨折は避けられない状況。死ぬ確率もかなり高い。
それでも他に名案もない。ためらうことなく皆この作戦に乗ります。
間抜けに見えるけど、訓練兵の上位ランカーというのはかなり運動能力が高いことが分かります。
(『進撃の巨人』第9話より)
もっと命がけの訓練も乗り越えてきたのでしょう。
なによりライナー・ベルトルト・アニの三戦士もこの作戦に前向きに参加しています。
心の中の建前としては「あの謎の巨人の正体を知ることが最優先事項だから」という点で一致していたのでしょう。
さらに心の奥底には「できれば仲間を死なせたくない」という本音もあったと思います。
なぜライナーとアニは謎の巨人を助けようと言うのか
この時点では、謎の巨人の正体がエレンだとは誰も気づいていません。
そんな中、謎の巨人もさすがにスタミナ切れしたようで劣勢に陥ります。
そしてライナーが「あの巨人を助けよう」と言い出します。

(『進撃の巨人』第9話より)
当然ジャンは大反対。そんなリスクを犯す必要があると思えないからですね。
しかしアニもライナーの意見に賛成します。

(『進撃の巨人』第9話より)
あきらかにアニとライナーは「戦士としての事情」で発言していますね。
謎の巨人は、間違いなく9つの巨人いずれかの継承者です。
それはもしかしたら「始祖の巨人」かもしれない。だとしたらここでわけのわからない無垢の巨人に食わせるわけに生きません。
(結果的にはエレンなんかに持たせておくより、無垢の巨人に食わせておいたほうが三戦士にとっては都合が良かったんですけどね。)
結局、助ける必要もなく謎の巨人は自力で劣勢を覆してしまうので、この時点では「このシーンは何だったんだ?」というモヤモヤ感が残りました。
でもライナーとアニのポジショントークを見せるという点で意味のあるシーンだったわけです。